サブスクリプションの本質
「売ること」から「使い続けてもらうこと」へ
プロダクトビジネス等のモノ売りから、サブスクビジネスに取り組む事業者が増加傾向にありますが、一方で撤退するケースも見られます。
サブスクビジネスを、定額の月額利用料に売り方を変更するだけと捉えてしまうと、コスト先行のビジネスであるため、収益面で行き詰まることが考えられます。
このようなサブスクビジネスの本質は、「顧客との継続的な関係を築くこと」にあり、これは、ビジネスとして成立させるためのポイントでもあります。
プロダクトビジネス | VS | サブスクビジネス |
---|---|---|
ブランディング | マーケティング | エクスペリエンス |
プロダクトの販売 | セールス | 価値の提供 |
プロダクトの販売利益 | ファイナンス | LTV |
売れる商品の開発 | カルチャー | 顧客との継続的な関係構築 |
顧客にとって魅力的なモノを作って、モノを「売ること」を中心にしてきたプロダクトビジネスに対し、サブスクビジネスは、売った後に「使い続けてもらうこと」でビジネスを成立させるものになります。
そのため、顧客に寄り添い、価値を提供し続けるビジネス観点が重要になります。
持続可能なビジネスへの変換
生き残るためのビジネス変換
顧客の求めが、モノから体験(サービスを享受すること)にシフトしていく中、事業形態を「モノからコト」に変換する必要があります。
現状のモノ売りから脱却して持続可能なビジネスを行うためには、製品等の「モノ」中心の考え方から、利用する「顧客」を中心とした考え方に変換することが重要になります。
そして、顧客に継続的に利用し続けてもらうためには、顧客ロイヤルティを高めるカスタマーサクセスの実現が重要です。
「売った後」の顧客の利活用に着目し、顧客の利用を促し、また、顧客の声を前工程にフィードバックして改善をし続け、そして、アップセルやクロスセルに繋げて、LTV増を導きます。
サービスのアップデート
新製品やサービスの開発と保守
市場のニーズに対応するために、新たな製品や新たなサービスを開発し提供する上で、従来のプロダクトビジネスでは、現行の製品に対する保守をしながら、新製品をリリースすることになります。
一方、サブスクビジネスは、現行サービスへのアップデート提供なので、過去のサービスへの保守を最小化でき、開発リソースを新しいサービスに注力することができます。
また、新機能のリリースを柔軟に行えるため、速やかに市場のリアクションを確認することができます。所有権を顧客に引き渡すプロダクトビジネスに対し、サブスクビジネスでは事業者が所有権を保持しているので、柔軟なメンテナンスやアップデートが可能です。