サブスクリプションビジネスやSaaS型ビジネスといった月額で顧客に課金をしてもらうビジネスには、様々なKPIがあります。従来の売り切り型ビジネスと違い、売上を把握するために解約率や継続率を含める必要があります。
今回はサブスクビジネスを行う上で知っておきたい指標に関連する用語をご紹介します。
「ARPA、ARPUの違いって何?」
「ACV、TCVはどう使い分けるの?」
という方におススメです。
もくじ
ARPA 【Average Revenue per Account】
ARPAとはAverage Revenue per Accountのことで、1アカウントの平均単価を意味します。サブスクリプションビジネスでは主に単月平均で扱われます。
ARPAは1アカウント(契約者)を対象として平均売上金額を計算します。1ユーザーを対象にする場合はARPU(Average Revenue per User)を使用します。
ARPAの計算方法は以下になります。
ARPA = 売上 ÷ 契約者数
ARPAを使用する方が良い場合は?
- 1ユーザーが複数のアカウントを発行できるサービス
- 複数の端末から利用できるサービス
- SaaS型ビジネスで見られる、1契約に対して複数のアカウントが発行できるサービス
ARPU 【Average Revenue per User】
ARPUとはAverage Revenue per Userのことで、1ユーザーの平均単価を意味します。サブスクリプションビジネスでは主に単月平均で扱われます。
ARPUは1ユーザー(端末)を対象として平均売上金額を計算します。主に通信事業やゲーム事業に使われるKPIです。例えば、課金ユーザーと無課金ユーザーがいるビジネスの場合、ARPUは両方のユーザーを含めて計算します。
ARPUの計算方法は以下になります。
ARPU = 売上 ÷ ユーザー数
クラウド環境でソフトウェアを複数の端末で使用できるサービスが増えたため、端末を基準とするARPUで平均売上を表すことが難しくなっています。
ARPAとARPU
ARPAはアカウント、ARPUはユーザーに対する平均売上金額を示します。
例えば、ユーザーが複数の端末を持っている場合、ARPUで計算すると実際よりも顧客数を多く認識することになります。3つの端末を一人が所持している場合、ユーザー数が3・アカウント数が1になります。これはARPUが1端末=1ユーザーとして扱う形をしている為です。
ARPAとARPUでは以下の図のように、条件が同じでも計算結果が大きく変わるため注意が必要です。そのため、1ユーザーが複数端末を利用できるようなサービスの場合のARPAを使用したほうが、実態を正確に把握できます。
ARPPU【Average Revenue Per Paid User】
ARPPUとは、Average Revenue Per Paid Userのことで、課金ユーザーのみを対象に平均売上金額を示します。有料ユーザーと無料ユーザーが混在するサービスの場合、ARPPUが有用です。
例えば、ユーザー全体の内何割がサービスを支えているのか、どのようなキャンペーンを行うと課金が増えるのか、などを測ることができます。
ARPPUの計算方法は以下になります。
ARPPU = 売上 ÷ 課金ユーザー数
ACV 【Annual Contract Value】
ACVはAnnual Contract Valueのことで、日本語に訳すと「年間契約額」を意味します。顧客から一年間で得られる収益をさします。
ACVには契約で定期的に得られる収入のほかに、初期費用、オプション費用、サポート費用なども含まれます。
TCV 【Total Contract Value】
TCVはTotal Contract Valueのことで、日本語に訳すと「総契約額」を意味します。顧客から契約期間中に支払われる合計金額を表します。
TCVには契約期間中に発生する、初期費用、オプション費用、サポート費用や追加に発生した料金なども含まれます。
ACVは契約から得られる一年間の収益、TCVは契約から得られる合計金額になります。TCVに契約期間の長さは関係しません。
まとめ
今回はサブスクリプションに関連する用語についてご紹介しました。
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