SaaSビジネスの課題は新たな管理項目
システムやソフトウェアを「購入」するのではなく、「利用」するSaaS(Software as a Service)は、物理的な「モノ」がないため配送処理が不要で、全てデジタルで賄うことができ、柔軟なサービスを提供することができます。
ただし、従来の売切モデルでは必要のなかった新たな管理項目が必要になります。
それは、利用者であり請求先である「顧客」情報の管理や、利用期間やプラン等の「契約」を管理することです。
誰がどのサービスをいつからいつまで利用する契約なのか、決済手段は何を選択したのか等を把握して、利用料を正しく請求しスムーズな手続きを行うためには、事前に仕組みを整える必要があります。
SaaS契約管理のポイント
販売対象である「SaaS商品」と「顧客」とを結ぶ「契約」についてのポイントを整理します。
商品の属性には、対象ソフトウェアのグレードやサービスプラン、サービスの利用規約、そして提供する課金体系(月額、年額、従量等)が含まれます。
一方顧客の属性には、顧客のIDや請求先情報があります。
顧客が販売手続きにおいて、対象となる商品を利用期間や決済手段を選択して契約を行うことになります。
当然、顧客によって対象商品、利用期間、決済手段が異なりますので、これらを管理しサービス提供や請求処理を正しく行うことが必要になります。
トランザクションを一気通貫する仕組み
SaaSにより発生頻度が増える請求処理を効率化するために、請求管理システムを使用する考えもあります。しかし、個別システムが乱立することでインタフェースが増え、新たな業務(システム間をつなぐ作業)が発生しかねません。
特に、販売活動は一連の流れがあるため、販売活動に関するトランザクションを一気通貫できるオールインワンのツール利用をお薦めします。
営業パーソンが担うケースが一般的だと思いますが、「見積・注文から契約を経て請求まで」の一連のトランザクションを一気通貫する仕組みが有効だと思います。