- 通話内容を即時記録し、チャットで通知したい
- 管理者が毎月簡単に状況を確認したい
- 問題発生時にチャットで知らせたい
チャットツールとして定着しているSlack。コンタクトセンターでも在宅オペレーターが増えており、メンバー間のコミュニケーションとして利用されています。
しかし、チャットの入力は手動。お客様のクレームを検知できるのは、あくまでもオペレーターがその旨を入力した後です。
Amazon Connectとチャットツールを連携することで、次のことができるようになります。
- オペレーターとスーパーバイザーとの情報共有が簡単に
- オペレーターの通話記録の手間を軽減
- アラーム情報を素早く察知し、顧客満足度が向上
今回、Amazon ConnectとSlackを連携し機能を実現しました。
既にAmazon ConnectやSlackを利用中の方・チャットを利用した即時性のあるコンタクトセンターを構築したい方に、ぜひご検討いただければと思います。
この記事では、Amazon Connect × Slack の連携機能を解説します。
※Slackは、Slack Technologies,Incの商標および登録商標です。
もくじ
Amazon Connect と Slack 連携で実現した機能
大きく分けて、下記3つの機能を実現しました。
Amazon Connect × Slack 連携機能
- 通話情報連携機能
- メトリクス出力機能
- Contact Lens連携機能
ひとつずつ詳細に解説します。
1. 通話情報の連携機能
Amazon Connectの通話情報をSlackのチャンネルにリアルタイムで投稿します。
通話情報は4つの連携機能があります。
- 受電情報の連携
- 待ち呼情報の連携
- 通話結果の連携
- 営業時間外着信の連携
機能名 | 通知タイミング | 通知内容 |
---|---|---|
受電情報の連携 | オペレーター受電時 | キュー名 顧客電話番号 担当オペレーター名 |
待ち呼情報の連携 | キューに入った時 | キュー名 顧客電話番号 待ち人数 キューメトリクスへのリンク |
通話結果の連携 | 顧客とエージェントの 通話が切断された時 | コンタクトID 通話開始/終了時間 キュー名 担当オペレーター名 詳細画面へのリンク |
営業時間外着信の連携 | 営業時間外に着信した時 | 受信番号 顧客電話番号 |
機能ごとに、詳細に解説します。
受電情報の連携
受電情報を通知し、誰がどの電話対応をしているか把握できるようになります。
オペレーターの受電時に、以下の項目を通知します。
- キュー名
- 顧客電話番号
- 担当オペレーター名
待ち呼情報の連携
待ち呼の情報を通知し、キューの状態が確認できます。
お客様がキューに入った時に、以下の項目を通知します。
- キュー名
- 顧客電話番号
- 待ち人数
キューメトリクスへのリンクも自動で作成されます。
通話結果の連携
通話が終了したことを通知し、その通話内容を確認することができます。
お客様とエージェントの通話が切断された時に、以下の項目を通知します。
- コンタクトID
- 通話開始・通話終了時刻
- キュー名
- 担当オペレーター名
通話詳細画面へのリンクも自動で作成されます。
営業時間外着信の連携
営業時間外の着信を通知し、営業時間外の着信を把握することができます。
営業時間外に着信した際に、以下の項目を通知します。
- 受電番号
- 受信番号
2. メトリクス出力機能
エージェントメトリクス・キューメトリクスをSlackのチャンネルに投稿します。
通話タイミングは日次・月次で、時間指定が可能です。
- エージェントメトリクス出力
- キューメトリクス出力
機能名 | 通知タイミング | 通知内容 |
---|---|---|
エージェントメトリクス出力 | 日時・月次 (時間指定可能) | 着信数 平均通話時間 CSVダウンロードリンク など |
キューメトリクス出力 | 日時・月次 (時間指定可能) | 着信数 平均通話時間 CSVダウンロードリンク など |
機能ごとに、詳細に解説します。
エージェントメトリクス出力
日次・月次でエージェントメトリクスを出力し、詳細情報を確認することができます。
指定された時間に、以下の項目を通知します。
- 着信数
- 平均通話時間
- CSVダウンロードリンク
など
キューメトリクス出力
日次・月次でキューメトリクスを出力し、詳細情報を確認することができます。
指定された時間に、以下の項目を通知します。
- 着信数
- 平均通話時間
- CSVダウンロードリンク
など
3. Contact Lens連携機能
Amazon Connectの機能であるContact Lensの情報をSlackのチャンネルにリアルタイムで投稿します。
Contact Lens for Amazon Connect は、顧客との会話における感情や傾向をリアルタイムで追跡して、重要な企業や製品のフィードバックを特定するのに役立ちます。
出典:Contact Lens for Amazon Connect (機械学習による音声分析) | AWS
Contact Lens連携機能は、3つの連携機能があります。
- 感情情報の連携
- キーワード情報の連携
- 会話内容の連携
機能名 | 通知タイミング | 通知内容 |
---|---|---|
感情情報の連携 | 指定した感情値で 一定時間経過した時 | 感情と経過時間 キュー名 顧客電話番号 担当オペレーター名 など |
キーワード情報の連携 | 顧客が指定した単語を 発言した時 | キーワード キュー名 顧客電話番号 担当オペレーター名 など |
会話内容の連携 | 顧客とエージェントの 通話が切断された時 | 通話内容 会話の文字起こし 感情情報 顧客電話番号 担当オペレーター名 など |
機能ごとに、詳細に解説します。
感情情報の連携
指定した感情にて一定時間が経過すると、その旨を通知します。「お客様が怒っている」などの情報をリアルタイムに把握し、対応することができます。
指定したタイミングで、以下の項目を通知します。
- 感情と経過時間
- キュー名
- 顧客電話番号
- 担当オペレーター名
など
キーワード情報の連携
予めキーワードを指定しておくと、そのキーワードが発せられた時に通知されます。「お客様が”解約”と発言した」などの情報をリアルタイムに把握し、対応することができます。
指定したタイミングで、以下の項目を通知します。
- 感情と経過時間
- キュー名
- 顧客電話番号
- 担当オペレーター名
など
会話内容の連携
お客様との通話が終了すると、通話内容や感情などのサマリなどを通知します。通話内容を共有する負担を軽減できます。感情情報は絵文字で表示し、一目で状況を把握することができます。
通話終了時に、以下の項目を通知します。
- 通話内容
- 会話の文字起こし
- 感情情報
- 顧客電話番号
- 担当オペレーター名
など
各機能の利用料金について
本機能はAWSのサービスを利用しており、それぞれの利用料が発生します。
AWS利用サービス
- Amazon Connect
- Lambda
- S3
- Amazon EventBridge
利用料はAWS規定の費用に準じます。詳しくはお問い合わせください。
まとめ
今回は Amazon Connect と Slack を連携し、チャットベースでのコンタクトセンター業務を可視化する機能をご紹介しました。
Amazon Connect × Slack 連携のポイント
- オペレーターとスーパーバイザーとの情報共有が簡単に
- オペレーターの通話記録の手間を軽減
- アラーム情報を素早く察知し、顧客満足度が向上
チャットベースで Amazon Connect の利用を検討中の方は、ぜひご検討ください。
また、「Slack 以外のコミュニケーションツールと連携したい」などのご要望も承ります。
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ぜひ一度お問い合わせください。